一汁三菜

自分が楽しいと思うこと、マラソン、旅行、その他日々の記録をしたい。

道尾秀介「花と流れ星」

道尾秀介「花と流れ星」を読了。この作品は、初めてhontoで購入して読み切った作品となりました。

花と流れ星 (幻冬舎文庫)

花と流れ星 (幻冬舎文庫)

「真備霊現象探究所」を舞台とした短編集ですが、オカルトな要素はあまり無く、オチは非常に現実的な所に落ち着くという、不思議な話でした。

結構読みやすく、すんなりと読み切れる作品群でした。

hontoを使ってみた感想

Amazonだとセール品くらいしか安くならない一方で、hontoだとしばしば30%オフクーポンを配っていたり、ポイントを沢山配っていたりするので、好きな本を安めの価格で購入できるのはメリットだなーと感じます。ただ、割引率はAmazonの方が高いように思います。

クライアントはKindleの方が圧倒的に使いやすいです。hontoは動作がややもっさりしている(特に書籍を開いた時)ように感じたり、紙面の読み易さにやや難があります。

RFC 7413: TCP Fast Open

TCP Fast OpenRFCになりました。RFCが発行されたばかりとはいえ、Linuxではバージョン3.6から実装されており、3.13からデフォルトで利用できるようになっているので、既に割と色んな所で使えるようになっているだろうと思います。

TCP Fast Openの仕組みは既に色んな所で解説されていて、日本語の記事も数多くあります。なのでここでは一言で表すことにすると、「最近TCPで通信したことがある相手とは、3-way handshakeの最中にデータのやり取りも併せて行ってしまう。*1」という事をする為の仕組みです。これにより、connection確立時の1 RTTを節約することが出来るというのがTCP Fast Openを利用する利点です。

もちろん通信路の確立は保証される必要があります。その為にTCP Fast Openでは次のような手法を用いています。1回目の3-way handshakeで、サーバーはクライアントに対してcookieを生成して返します。クライアント側ではそれをキャッシュしておきます。2回目以降の3-way handshakeではクライアントはSYNパケットと共にそのcookieを渡し、同時にpayloadをSYNパケットを通じて送信してしまいます。サーバーでは、cookieが正当な物であると確認出来た場合、クライアントから受け取ったpayloadを処理し、クライアントに送り返すべきレスポンスをpayloadに含めてクライアントにSYN-ACKと共に送信します。最後にクライアントからサーバーにACKを送信するのは通常のTCPの3-way handshakeと同じです。

なお、LinuxTCP Fast Openを使うには、カーネルコンパイル時にTCP Fast Openを有効にする必要があります。また、アプリケーション側でcookieを処理する為の対応を実装する必要があります。

*1:RFC 7413のAbstractから原文を引用すると、 "TFO allows data to be carried in the SYN and SYN-ACK packets and consumed by the receiving end during the initial connection handshake, and saves up to one full round-trip time (RTT) compared to the standard TCP, which requires a three-way handshake (3WHS) to complete before data can be exchanged."

無印良品「耳栓・ケース付き 1セット」

旅行に出る時に耳栓を自宅に忘れてしまったので、出先のファミリーマート無印良品の耳栓を購入しました。1セット税込300円。

で、これが思いのほか良かったです。触った感触はごわごわしていてあまり良くなかったのですが、指先で潰した時によく潰れるので耳に入りやすいです。サイズが少し大きめなので、耳の奥の方まで入っていきます。装着感は慣れるまでやや違和感があるかなという感はありますが、自分の場合は入眠しづらさを感じるほどではありませんでした。時々「あ、入っているな」と感じるレベルです。

そして肝心の防音性。驚くほど静穏。目の前で立てた音もほとんど聞こえなくなりました。ファスナーの開け閉めの音が聞こえなくなりました。今まで使っていた耳栓は寝返りの音が聞こえる程度には音が漏れ聞こえていたので、それとの違いにだいぶ驚いてしまいました。

本質的ではないのですが、ケースの開け口が分かりにくいのがやや難点です。薄暗い空間で「さあ寝るぞ」という時に、手探りで耳栓を取り出すのに結構苦労しました。ケースの両側にあるでっぱりのうち、長い方が開け口で短い方が蝶番なのですが、使う瞬間までさしてケースをまじまじと眺めたりもしなかったので、なかなか開けられませんでした。

ちなみに少し検索してみたところ、評判がよさそうなのはこちらでした。自分は使ったことがありませんが。

HOWARD LEIGHT 使い捨て耳栓 コード無し MAX 5ペア ecoパック

HOWARD LEIGHT 使い捨て耳栓 コード無し MAX 5ペア ecoパック

上級救命講習を受講した

以前受講しようと思っていると書いていた「上級救命講習」を受講してきました。場所は立川防災館。たまたま直近で土曜日開催だったのがここだったので、はるばる電車とバスを乗り継いでやってきました。平日に受講するならばもっと自宅に近いところという手もあったのですが。

http://instagram.com/p/wm2Dv9woyj/

講義は朝9時から始まって、夕方17時に終わるという丸々一日がかりのスケジュールになっています。15分前にやってきて、受付で教材代の2,600円を支払いました。代わりに、100ページ弱の教本と人工呼吸用のマウスピースを渡されます。また、講義の後半で三角巾も渡されます。会場は立川防災館の3階にあり、様子はさながら体育館といった感じのところでした。かなり広い空間でしたが暖房がしっかりと効いており、寒さを感じることはありませんでした。当日来ていたのは、6名の講師に対して40名ほどの受講者。男女比は概ね2:1くらいでした。話している様子を聞いていると、介護, 保育, スポーツ指導をしている人たちが中心に受講しているようでした。

事前に調べていた感じだとDVDを見るだけの講義という形式もあるようですが、今回の講義は指導員が直接講義や実演を行う形式でした。

午前中は救命法の講義と実技。胸骨圧迫(心臓マッサージ)とAEDの使い方についての講義がみっちりと行われます。ですが自動車運転免許証の取得の時の講義と比べると割とあっさりめだった印象があります。実技講習の後に実技試験が行われます。容体の確認から胸骨圧迫、AEDの使用までの一連の流れを行います。基本的に講義の中で教えていただいた手順をなぞるだけですが、身体が濡れている場合に身体を拭き取ってからAEDのパッドを装着することや、ネックレスをしている人のネックレスを退かすといった点が追加で試験されることもありました。

12時からは1時間の昼食休憩。立川防災館の周りには本当に何も無いので、近くの立川市役所の中にあるコンビニが唯一の生命線です。受講者は持参している人を除いてこちらで買った物を持ち帰って食べているようでした。平日は4階の食堂が使えるような感じもありました。

午後は乳幼児の胸骨圧迫の方法の実技を行った後に筆記試験。1問5点で100点満点, 80点以上で合格の試験です。事前に試験のポイントについては重点的に解説があるので、そこをしっかりと覚えておけばまず間違いなく筆記試験は通過できます。

試験の後は、乳幼児への胸骨圧迫の実技演習, 喉に物が詰まった時などの吐かせ方, 三角巾の使い方,搬送法についての講義や実演が行われました。三角巾の使い方については、2人1組になってお互いに身体の固定をし合います。毛布を使っての搬送法は介護の現場などで実用になる機会が多いのか、熱心に聞いている人が多くいらっしゃいました。

全ての講義の受講後に、上級救命技能認定証をいただけます。有効期限は3年間で、3年以内に再受講する必要があります。再受講の場合は受講時間が3時間となり、受講料も1,600円になります。

丸々1日かかること、なかなか休日には開催されていないので仕事で使う機会でも無ければ受講しづらいことなど難しい点はありますが、いつ何時何があるか分からないものです。特に身近な人が急に倒れた時に救急車が到着するまでの7-8分間の応急処置がその後の快復を助けることになるケースもあるかもしれません。8時間の講義だけで万が一の事態にスムーズに対処できるとは全く思いませんが、それでも万が一の備えの一つにできればと思っています。

CW-Xを買ってみた

先日珍しくレッグウォーマーを履きながら走ってみたら膝の痛みが全くなかったので、膝を痛めやすい身としてはこれはきちんとした物を買って練習するとより良いのではないかと思うに至り、CW-X ジェネレーターモデルを購入してみました。13,387円也。普段あまり衣類にはお金をかけない身としては、かなり良いお値段です。

(シーダブリュエックス)CW-X ジェネレーターモデル(ロング) HZO639 BL BL M

(シーダブリュエックス)CW-X ジェネレーターモデル(ロング) HZO639 BL BL M

一応サイズ表を見てMサイズを買ってみたのですが、かなりピッチリとフィットします。余裕が全然無いので大丈夫かと心配にもなるのですが、何回か洗濯するうちに伸びてくる事を期待。逆に縮んだらどうしよう……。

まずは着用して10kmほど走ってみました。さすがにこれだけだと何が変わるというわけでもなく。膝の負担が減ったのかどうかもあまりよく分かりませんでした。一つだけ分かったのは、当然ですがレッグウォーマーよりも防寒能力には劣り、脚に冷気が伝わってくるという事くらい。

で、次に先日のNAHAマラソンでも着用してみました。いきなり本番に投入というのに不安はありましたが、NAHAマラソンで記録を狙うような走りはさすがに出来ないだろうという判断で、あまり気にしないことに。

さすがに40kmも走ると違いが分かる物で、走り終わった後の膝の痛みはほとんどありませんでした。一方で膝上がパンパンになってしまい、途中からだいぶ苦しくなりました。膝の負担が脚全体に分散されているのか、膝の代わりに普段あまり疲れないような所が疲れていました。逆に走りにくくなっていたのではないかというのを心配しているのですが、それほどタイムに影響したという事も無いので、別に走りにくかったわけでは無かったのかなという気がしています。

今後も使い続けるかどうかはまだちょっと悩んでいます。ですが何となく面白そうなのと、せっかく高い買い物をした事だしということで、しばらく履いてみて様子をみてみようかと思います。

第30回 NAHAマラソン

第30回 NAHAマラソンに参加しました。

大会 第30回NAHAマラソン
距離 フルマラソン (42.195km)
グロスタイム 4時間42分27秒
ネットタイム 4時間42分05秒
順位 4904位

中間計測での記録も発表されていたので、こちらも記載。

計測地点 距離 タイム 順位 通過時間
スタート 0.000km 00:22 878位 09:00:22
5km地点 5.000km 27:11 1265位 09:27:11
10km地点 10.000km 55:37 1885位 09:55:37
15km地点 15.000km 1:26:32 2648位 10:26:32
20km地点 20.000km 1:58:06 3156位 10:58:06
中間地点 21.300km 2:04:22 3198位 11:04:22
25km地点 25.000km 2:31:31 3719位 11:31:31
30km地点 30.000km 3:10:02 4433位 12:10:02
35km地点 35.000km 3:47:40 4614位 12:47:40
40km地点 40.000km 4:28:46 4969位 13:28:46
フィニッシュ 42.195km 4:42:27 4904位 13:42:27

徐々に抜かれていっている様子がよく分かります。

http://instagram.com/p/wQQCNVQo2B/

12月の沖縄は、半袖だと暗くなってから肌寒さを感じるくらいの気温です。沖縄にしては寒い季節と言えますが、やはり内地と比べると気温は下がらないので、あまり記録を出すことは期待していません。そもそも参加者数が多すぎて最初の数kmは走ることがままならないというようなレースなので、それも記録を出しにくいということに拍車をかけます。

それでもしばしば沖縄のマラソン大会に参加しているのは、沖縄のマラソン大会には物凄い沿道の応援が待っているからです。特にNAHAマラソンは沖縄県で最も規模の大きい大会なので、その応援の規模も誇張無しに桁違いです。昔走り始めたばかりのころにNAGOハーフマラソンで沖縄のマラソン大会の醍醐味を知ってしまい、そして3年前にNAHAマラソンに参加してから、すっかり沖縄のマラソン大会の虜になってしまっています。

http://instagram.com/p/wSMGX_wo7p/

今回はうっかり陸連登録でエントリーしてしまったので、スタート位置がBブロック。号砲から物の10秒少しでスタートラインを越えられました。ただし周りはスピードのある選手ばかり。おかげで自分にとっては高速なペースにつられてしまい、1kmあたり5分を超えるペースという、今の自分の実力に見合わないオーバーペースで突っ込んでしまいました。5kmくらいまでは調子よくきた物の、徐々に失速していきます。

7km地点で、NAHAマラソン名物の走りながらのYMCAポーズ。ヤングマンが大音量で流れる中、ほとんど全員のランナーがYMCAポーズをとる姿がなかなか圧巻です。曲の合間には、マイクをもったDJ(?)の人が「おめでとうございます!残り35kmです!」と発破をかけます。

NAHAマラソンは前半が上り基調なのでひたすら力を溜めて後半に備えるというのが鉄板の攻略法ですが、前半ですっかり力を使ってしまいました。平和記念公園にたどり着いた時には2時間4分くらいで通過できた物の、その後脚が止まってしまいました。下り坂は何とか走って下る物の、平地ではちょくちょく歩いてしまいます。どうにか誤魔化しながら走っていきます。ちょくちょく休みながら走っているせいか、急激に脚が苦しくなるという感じはしませんでしたが、時計と睨めっこしていると徐々にペースが落ちているのが分かります。走っている時は1kmあたり6分から7分で走れていましたが、しばしば歩いてしまうせいで1kmあたり7分から8分くらいを維持して走っていきました。

国道331号を左折して小禄バイパスに入ると、残り後少しだなという気持ちになってきます。とはいえ残り5km。じっくりと走っていくと、見えるのはモノレールの線路。赤嶺駅からの最後の登り坂に苦しんでいると、「これが最後の登り坂です!」という応援が。坂道の頂上まで到達したら、後は下り坂のみ。ひたすら下りに下って、奥武山公園に向かって左折。このあたりで残り1kmでしたが、残り短いにも関わらず脚が止まります。少し歩いてから、ゴールへ。奥武山公園に入ってからボランティアの学生のハイタッチに励まされ、わずかながらのラストスパートをかけてゴール。

脚を完全に止めると、一気に疲労が襲い掛かってきました。どうにか完走証と琉球ガラス製の完走メダルを受け取って、芝生の広場で仰向けになりました。「あんまりよく走れなかったなー」という反省と、「とにかく完走できてよかった」という思いが繰り返しやってきていました。

http://instagram.com/p/wS6NE1Qo_N/

今年のNAHAマラソンも、コース上を途切れることの無い応援と、公設エイドの数倍の箇所設置されている私設エイド、あちこちで行われている野外バンドの演奏やエイサー、そしてボランティアの皆様に助けられました。非常にきついコースで、かつ暑いレースでありながら、どうにか完走出来ているのはこういった方々のおかげあってのことです。ありがとうございました。

読了: 竹鶴政孝「ウイスキーと私」

ウイスキーと私

ウイスキーと私

12月4日のAmazonのセールで1,140円の電子書籍が599円になっていたのを購入。9月末にたまたまニッカウヰスキー余市蒸留所を訪れ、そして10月からはNHK連続テレビ小説「マッサン」の主人公のモデルにもなっているという事もあり、ちょうど興味を持っていたところ。196ページという分量でしたが、休み休みで2時間くらいで読了できました。

元々が日経新聞の「私の履歴書」に連載していた原稿を元にした本ということで、内容はニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝の半生を綴った本。連続テレビ小説を見ている人へのネタバレになりかねないので詳しい話は割愛しますが、無骨な職人気質が至る所からにじみ出ていて、良い文章を読んだなと思います。一番印象に残った箇所を一つだけ挙げるとすると、寿屋(現サントリー)時代に山崎の地に原酒工場を作った際、留学時代に細かいところまで残さずに取ったノートがずいぶんと役に立ったが、それでも疑問点が出てきたことに悩んだという一節。

そのうち大きな疑問点が二つ起こった。 その一つは、原料の大麦を乾燥させるとき、天井に金網をひいてその上に広げ、下からピートを燃やして芽と根を出した大麦をかわかすのだが、ピートを燃すところから網までの正確な距離がわからない。 もう一つは蒸留機にあった。石炭をたくところから釜の底までの距離がはっきりしない。距離によって熱度が違ってくる。どちらも非常にデリケートな問題であった。

こういうの、あるよなあと、妙に共感しました。