一汁三菜

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読了: 竹鶴政孝「ウイスキーと私」

ウイスキーと私

ウイスキーと私

12月4日のAmazonのセールで1,140円の電子書籍が599円になっていたのを購入。9月末にたまたまニッカウヰスキー余市蒸留所を訪れ、そして10月からはNHK連続テレビ小説「マッサン」の主人公のモデルにもなっているという事もあり、ちょうど興味を持っていたところ。196ページという分量でしたが、休み休みで2時間くらいで読了できました。

元々が日経新聞の「私の履歴書」に連載していた原稿を元にした本ということで、内容はニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝の半生を綴った本。連続テレビ小説を見ている人へのネタバレになりかねないので詳しい話は割愛しますが、無骨な職人気質が至る所からにじみ出ていて、良い文章を読んだなと思います。一番印象に残った箇所を一つだけ挙げるとすると、寿屋(現サントリー)時代に山崎の地に原酒工場を作った際、留学時代に細かいところまで残さずに取ったノートがずいぶんと役に立ったが、それでも疑問点が出てきたことに悩んだという一節。

そのうち大きな疑問点が二つ起こった。 その一つは、原料の大麦を乾燥させるとき、天井に金網をひいてその上に広げ、下からピートを燃やして芽と根を出した大麦をかわかすのだが、ピートを燃すところから網までの正確な距離がわからない。 もう一つは蒸留機にあった。石炭をたくところから釜の底までの距離がはっきりしない。距離によって熱度が違ってくる。どちらも非常にデリケートな問題であった。

こういうの、あるよなあと、妙に共感しました。